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私のソーシャルメディア10年史

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以前の投稿で、ソーシャルメディアの発展とは、個人が情報を公開・共有することをいかにシンプルにするかの追求、ということを述べましたが、これについてもう少し丁寧に説明していきたいと思います。

昨今の日本でも「ソーシャルメディア元年」なんて言われ方もしていますが、私が見ていた限りにおいては、決してソーシャルメディアとはこの1-2年で急に出てきたものではなく、これは 10数年前からの一貫した一つの流れの中で、たまたまこの数年にテクノロジーの進化レベルが特異点に達し、爆発的な広がりを見せているのではないかと思います。

10年前、私が社会心理学でインターネットコミュニティについて研究していた頃に戻ります。(もちろん、それ以前のパソコン通信時代についても、いつか語りたいと思っているのですが)

さて時は 2000年。まだまだブロードバンドが当たり前ではない時代。私も学生でしたが、NTT の IP 接続サービスにてやっと常時接続で自宅のサーバーに外出先からアクセスできるようになってきたところでした。このころを思い返すと、私が大学の卒業研究の題材としていた、個人ホームページ全盛の時代でした。個人にホームページのスペースを数M ~ 数十M 程度無料で貸し出すサービスや、また契約しているISPが無料オプションでホームページ公開用の スペースなどを付属していました。その後自分のPCで、ホームページ作成ソフトを利用して ページを作成し(全部テキストエディタで書いている人もたくさんいました)、FTP にてサーバーへアップロードという流れでした。また、CGI スクリプト(掲示板などのプログラム)などが独自に設置できるのか、なんていう点がの差別化のポイントでした(今も有料ホスティングサービスではそうですが)。また併せてレンタル掲示板サービスなんていうのも出てきていましたね。

当時私は何故わざわざ、少なからぬ人々が結構な労力を払って自分自身の自己紹介や日記をメインとする Web ページを公開するのかという点が不思議でしょうがなかったので、「インターネットの社会学」という題材で個人ホームページを研究材料にしていました。これについてもまた別の機会で詳しく触れたいと思いますが、要するに人間ひとりひとりに備わっている、自分をもっと理解して欲しい、そして他の人とつながっていたいという人間の根源的な欲求がもととなっているのだと思います。

今日はテクノロジーから見たソーシャルメディア発展史についてということで、私の当時の資料をからまとめると、この段階での個人のホームページと呼ばれていた 自己紹介・日記・掲示板 システムの設置手順は下記となります。ここでは掲示板に注目ですね。この機能を利用して友だちや、Web コンテンツの内容によっては、個人的な趣向が似通った見知らぬ人たちが集まったりする場にもなっていました。ただ、まだまだ敷居は高く、この個人ページを自分で開設する人は、一部の、周りからはPCオタクともよばれているような人が多かったです。(私もそうでした)socialmedia5b35d

私も自分自身と、大学自体の友人と結成したバンドのホームページを持っていましたが、掲示板に新たな書き込みがあるかどうか、日々楽しみにしていたものでした。今はそれらはご存知の通り Facebook や Twitter のコメントにとって変わっています。まさにそうしたものの、「はしり」であったわけです。

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