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社会学から見るガラパゴス化する日本

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映画 「ソーシャルネットワーク」や、エジプトの Facebook 革命などで、Facebook バブルとも言えるほどFacebook が世界的な盛り上がりを見せてきましたが、 下記の 株式会社ループス・コミュニケーションズ 斉藤徹氏のブログによると日本は世界でも稀にみる、Facebook がまだまだ市場制覇をできていない国です。ソーシャルメディアの世界でも、またもやガラパゴスと言えるような状況になっています。

Facebookがついに6億人にリーチ、未制覇国も軒並み急増へ
http://blogs.itmedia.co.jp/saito/2011/01/facebook-7e61.html

コムスコアによる最新Facebook未制覇国チャート

他にも、wikipedia では携帯電話、デジタルTV、非接触ICカード、カーナビなどがガラパゴス例として挙げらていますが、これほどまでにいつもガラパゴス化するのはやはり日本人の培ってきた文化・歴史が原因の一つなのではないかと思います。

基本的に IT テクノロジーの世界はカスタマイズが基本です。出荷時の状態はあくまでも基本的な状態であり、そこから個人個人の用途に合わせて能動的にカスタマイズを行うことが前提となっています。 スマートフォンなどにしてもそうなっていますし、Facebook もセキュリティの設定など非常に多岐にわたるカスタマイズが可能になっています。

しかしながら、日本人の文化は和をもって貴しとなし、自然を征服するのではなく自然と調和して生きる文化でした。また島国であり外敵の侵略が比較的少なかった日本は、基本的に外的要因を受け入れる DNA が国民に埋め込まれています。そうした中で、ありとあらゆる選択肢が与えられ、そこから自分好みのカスタマイズが求められるような状況では何をしていいのか戸惑ってしまうのではないでしょうか。利用可能な機能を全てユーザーに見せるより、今何がしたいのかというコンテキストからその場合はこれを実行してくださいというほうが、安心なのです。これは、レストランなどでもセットメニューが世界でも最も売れる国のひとつであるということも同じことです。そうした理由から、ソーシャルメディアの世界でも facebook より mixi がまだまだ隆盛を極めている状態なのではないかと思います。

ただし、facebook はこのまま流行らないのでしょうか?日本はソーシャルメディアにおける情報鎖国になってしまうのでしょうか? 私はそうとは言えないと思います。かつて、PC の世界でもガラバコス化した時代がありましたが、PC/AT互換機 上で動く Windows というテクノロジーの革命により、一気にガラパゴスが崩壊しました。 facebook を見ると、現在のソーシャルメディアでは最も多くのことができますし、新しいメッセージシステムなどのテクノロジーの進歩も日々行われています。そうしたテクノロジーの進歩レベルがある一線を超えた時に、雪崩を打ったようにソーシャルメディアの世界もガラパゴスが崩壊し facebook が日本市場を制覇するのだと思います。そしてその時はもう、すぐ近くまで来ている気がします。

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