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中小企業に必要な「インフラとしてのIT」

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では、中小企業に必要な「インフラとしてのIT」とは何でしょうか。

私たちがこれまで見てきた中小企業様の多くが、前述したような理由から IT への投資を必要以上に大掛かりなものと思ってしまい、それに対する準備や調整に多くの時間をかけすぎてしまうために、どうしても短期的な利益に重きをおかざるを得ない中小企業様の現実の中で、最も優先順位が後回しにされ結果として常にIT投資は先送りされていました。

ただし繰り返しますが、これは当然の帰結だと思います。ITソフトウェア・コンサルティング業界もこれまではどちらかというと大企業に向けて必要以上に大掛かりなシステムを人件費をかけて売り込んでいき、ITにあまり予算をかけることが出来ないと思われる中小企業はターゲットとしては対象外になっていた側面も否定できません。

例えば、経営管理システムの ERP (Enterprise Resource Planning) などは、今から10年以上前に日本でも大企業を中心に導入ブームがあり、年商500億円以上の大企業における導入率は約8割にまで達していますが、年商100億円未満の中堅・中小企業においては導入率がまだ20%前後となっています。

私が最近仕事をさせていただいた会社の経営陣の方々こういったことがあります。

「昨日社長が売上の前年対比を店別に持ってきてほしい、とスタッフに指示し、翌日には無事に社長のもとにそのデータが印刷された紙を入手することができました。素晴らしいことだと思います。ただ、これをコップ一杯の水に置き換えてみると、実は社長が一杯の水を欲しい、といってコップ一杯の水を手にするその裏では、社員の皆さんが手分けして数Km先の井戸まで歩いて水を汲みにいっているのが実は現状なのです。そして競合他社は既に水道がオフィスまで引いてあります。」

これだけだと言っている意味が分かりにくいかもしれませんが、実はこの会社では営業の数値を計算するのに各部署のシステムから印刷されたレポートをFAXかメールで送ってもらい、それを本部で手作業で別のExcelシートに入力して修正し、さらにその合計をまとめた別のExcelシートに集計していたのです。さらに前年との比較を出すために、また昨年度のレポートを探しそこから Excel シートに入力しています。指示があったその日はスタッフの皆さんは深夜に渡る作業となりました。

トップから見れば、欲しいデータを指示すれば印刷された表として出てくるので何も不満もありません。しかし、その裏では実はかなり前時代的な方法で作業が行われていたのです。これでは、現場のスタッフはよほどのことがない限り、自ら営業数値を計算し戦略を自発的に立てようとすることはないでしょう。そして競合他社は蛇口をひねるようにそうしたデータをいつでも、誰でも取得することが出来現場レベルで高度なデータ分析に基づいた判断が次々に行われている可能性が高いです。こうしたトップの目に見えないところで差がついていくのだということを実感したことから、出てきた言葉でした。

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