一身独立の記

人生で大切なことは全て武士道で教わった

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私は大学卒業後いたいけな新卒として、外資系のとあるITソフトウェアカンパニーに入社し、アメリカ流のロジカルシンキング・マネジメントを、徹底的にトレーニングを受けてきました。

その時のことはとても自分の役に立って感謝の念しかありませんが、 本棚に眠っていた書物をふと読み直した時に、そこで学んだ大体のことは私が以前学んだはずの武士道でも全く同じことが教えられていることに気づきました。たとえば、Get out of comfort zone とかよく言いますが、これは いまから300年も前の江戸時代に書かれた「葉隠」という書物に既に述べられていることです。まず、あまりにも有名な

「武士道といふは、死ぬ事と見付けたり。」

というフレーズ。そして更に続く、

「二つ二つの場にて、早く死ぬはうに片付くばかりなり。別に仔細なし。胸すわって進むなり。」

これは私は当時は 死ぬ=切腹 なのかなあ、と想像していたのですが、よくよく考えるとそうではなく「自分を守らない」ということなのではないかと思います。つまり、武士道とは「自分を守らず、自分にとってより厳しい環境を迷わず選択していくものである」ということなのだと思います。

そして更に、もう一つ引用しますと

「我人、生くる方がすきなり。多分すきの方に理が付くべし。若し図にはづれて生きたらば、腰抜けなり。」

という一文があります。仕事っていつの間にか慣れて楽になってしまうと、その状態に甘んじてしまいますよね。しかしながら、本当にそれが人生で実現したかったことなのでしょうか?当初の目的に外れてはいないのでしょうか。まさに今の自分に決して甘んじない生き方=これこそが Get out of comfort zone につながる生き方であり、当時の本当の武士はこうした心構えを持っていたはずなのではないかと思います。

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