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日本における Twitter 人気

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映画「ソーシャルネットワーク」などで、日本でも Facebook が徐々に知名度を挙げていますが、日本で最も普及しているソーシャルメディアは、まだまだダントツで Twitter です。昨年(2010年)のソーシャルメディア元年と呼ばれた年も Twitter の爆発的普及がきっかけでした。

mixi, Twitter, Facebook 2010年12月最新ニールセン調査 〜

上記のループスコミュニケーションズ斉藤徹さんのブログにも引用されていますが、ニールセンの調査によると、去年一年で Twitter のサイトビジター数は3倍の伸びを示し、あっというまに mixi さえも抜き去ってしまいました。

日本人つぶやきすぎ! 日本におけるTwitterのユニークユーザー数、ついに mixi を抜く

また上記の記事では、なんと国別の総ツイート数はアメリカを抜き去り、4件に1件のツイートは日本発という事態になっています。少し前までは、日本人はブログ好き、とよばれていましたが、もう今ではつぶやき大好き国民となってしまいました。今回はこの点について、少し私なりの考察を述べさせていただきたいと思います。

以前の投稿 「"私のソーシャルメディア10年史」では、

「決してソーシャルメディアとはこの1-2年で急に出てきたものではなく、これは 10数年前からの一貫した一つの流れの中で、たまたまこの数年にテクノロジーの進化レベルが特異点に達し、爆発的な広がりを見せている」

「ソーシャルメディアの歴史とは、個人が情報を発信することをいかにシンプルにできるか、ということの追求」

ということを述べさせて頂きました。これを日本の世界でも有数の Twitter 普及率という事実ともに考えると、Twitter の持つ情報発信のシンプルさが、日本のユーザー層に非常にマッチしたのではないかと思います。

また、更に繰り返しになりますが、個人のインターネットにおける情報発信方法は下記のような流れを踏んできました。

1.個人ホームページ (プロバイダ付属のホームページスペース、ジオシティーズなど)
2.ブログ (アメブロ・livedoor など)
3.ソーシャルネットワーキングサービス (mixi / facebook など)
4.マイクロブログ (Twitter

そして、情報発信するための難易度・コストも 1(高)~4(低)の順でどんどん下がってきました。 1.の個人ホームページに至っては、HTMLをローカルPCにて編集 -> FTP でアップロード という、一般的なユーザーには到底不可能なものでした。(その時代はさらにネットに接続する、ということ自体もモデムやダイアルアップの設定などかなりハードルが高い状態でしたが。)

それが、ブログ -> mixi / facebook -> Twitter と情報発信のハードルが飛躍的に下がってきました。Twitter に関しては、基本的には文字だけで、これ以上ないのではないかと思えるまで情報発信の手順がシンプル化しています。このレベルのシンプルさこそが、日本の大多数のユーザーに必要とされるレベルだったのではないでしょうか。つまり、日本のインターネットユーザーは他国に比べてよりシンプルさを求めているということです。

下記の記事に面白いデータがありました。

Windows 7 の成功を支えたマーケティング戦略―サイコス青葉氏が訊く【前編】(2/2)

Windows 7 のマーケティングでは、消費者をリテラシー順に、高いほうから Enthusiasts、Wannabes、Gadgeteers、Productive Connectors、Entertainment-Seekers、Escapists、Basic Communicators、Reluctants の8段階にセグメンテーションしている。

Enthusiasts (熱中している)
Wannabes (熱中予備軍)
Gadgeteers (デジタルが好き)
Productive Connectors (生産性向上を追求)
Entertainment-Seekers (趣味や娯楽を追求)
Basic Communicators (WEBとメールで十分)
Reluctants (できれば何もしたくない)
(翻訳はサイコスによる)

ユーザーのプロファイルを上記の7段階に分けているというわけなのですが、注目すべきは日本は世界の中でも、 Basic Communicators (WEBとメールで十分) ・ Reluctants (できれば何もしたくない) という非常にベーシックなユーザーが約半数を占めているという特殊な状況となっているということです。またインターネットテクノロジーを駆使して、新しい技術を積極的に習得するというようなユーザー層 (Enthusiasts) は世界で最も少ないです。

この事実からも、Twitter のもつシンプルさがやっと、こうした日本の大多数のユーザー層にマッチするレベルに達したことが、世界でも有数の Twitter 普及率という状況になった原因ではないかと思います。

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